【タイムパラドクスゴーストライター】ヒロインの未来を描いた未来のなかった漫画

【タイムパラドクスゴーストライター】ヒロインの未来を描いた未来のなかった漫画

14話でフィニッシュ。『ボーンコレクション』に続いて終了(話数的にはこちらの方が1話少ない)。

2巻で終わるのが2020年の流行りになるかも。

原作は市真ケンジ、作画は伊達垣大。絵は良かった。

 

序盤は圧倒的につまらなかったし、なんなら不愉快だったんだけど、終盤は逆にちょっと面白かった。設定を語る時間が無いというメタ的な部分も込みで面白かった。

作者のやりたいことが明確になっているのがわかりやすくていい。まあ死んでも描くを地で行く女を救わない主人公なんていないとは思うけど。仮にもっと続いていたとしても終盤は似た内容になっていたんじゃないかな。

 

10年後の未来。不幸が訪れるという結末を変え今もなお描き続けている、という落とし所。短い話数であることを踏まえると割と綺麗に終わった気がする。キャラの魅力と言い分はイマイチだったけど。

『誰か』に届けば良いというのは同人誌の発想と思われがちなんだけど、大衆向けを狙って最初から描くと誰も付いてこないことも多い。なぜならそういう作品には個性がないから。読者は必ずそれを見抜く。『サムライ8 八丸伝』とか、そんな感じだろう。サムライ、刀、SFなど、キッズが好きそうなものが最初から詰まっていたが読者には響かなかった。

逆に誰か(ヒロイン)の為に描いた作品というものは、似た感性の人に深くささる。

とはいえ、時間をかければ良いものが描けるという発想は少しおかしい。気合と覚悟で長い時のなか、孤独に戦った彼は、作者のなかではカッコいい存在なんだろうけど、ちょっと無理があったかなあ。

描くのが大好きだから続けられるというのは正解のひとつではあるんだろうけどキャラの魅力が発揮されていない段階だと難しい。新妻エイジ(パクマン。)ぐらいのキャラパワーがあればね、読者にも伝わったと思うけど。彼は好きで描いてることが十分に伝わる良いキャラクターだった。

リアリティを取るなら彼女には描かせないこと、描く場所を奪うことの方がそれっぽいかな。ハジメちゃん(だがしかし)の過去みたいな感じで。描くことが全てという危うさこそテーマにすべき。

ちなみに作中の『ホワイトナイト』は2020年8月31日に連載開始。この漫画の打ち切り日と重なるという身体を張ったオチ。

 

 

集英社/週刊少年ジャンプ2020年39号