【ゴーレムハーツ】不快なキャラを全面に押し付けた打ち切り漫画

【ゴーレムハーツ】不快なキャラを全面に押し付けた打ち切り漫画

読切は良かったけど、連載で沈没。バトル漫画としても失敗したので打ち切りは妥当。

でもエイルは良いキャラだったかな。

連載は2017年48号から2018年12号まで。「フルドライブ」と同時にフィニッシュ。

 

読切版は良かった

女を食い物にする悪い男が不快だったけど、主人公がそれをやっつけるのでカタルシスがあった。

なによりメインヒロインには『気丈さ』があって、表面上は強く見える行動を取る。普段は明るく振る舞っているけど、己の不運に我慢するしか無い察している立ち回り。我慢しないと周囲に迷惑がかかるという状況をキャラクターの行動で描写している。そこが良かった。

さらに言うと、その彼女の行動が物語のキーになっているので、面白さにも繋がっている。

ヒロインは主人公であるノアに助けられるんだけど、その際のやり取り、感情を優先させる挙動も悪くなかった。どこかで見た気もするけどね。

とにかく良いところはたくさんあった。でも連載始まったら無くなっちゃうんだよね。読切版のノアは主張も決め技もかっこよかったのに。惜しい。

ちなみに読切版は連載版と繋がりがあるような感じだった。時系列でいうと連載初期→読切→連載後期といった感じ。

連載スタート時の主人公がしょぼい理由もそれかもしれない。成長前だから。

 

さあ連載スタートだ

読切が良かったので連載も期待というパターンはもう古い。
読切が良かったとしても連載で上手く行くかどうかはわからない。

というかこの漫画、初回からやっちゃってる。

印象的だったのはノアが村人に迷惑をかけるシーン。
ノアを息子のように思っているレメクは村人に許容するようにお願い(実際はいろいろなやり取りがあった末のことだがまとめるとそんな感じ

これね、良いシーンに見えるんだけど、息子のように思っているならその息子を叱る必要もあると思うんだよね。
褒めて伸ばすスタイルは嫌いじゃないけど、実害が出ちゃうとさすがに問題だよね。

レメクもノアもなにかとポジティブなので、設定と物語には矛盾はないんだけど、むしろそこが問題だったように思う。何も悪いことをしていない村人が割を食うというのは、読者視点では不愉快だ。

 

試験→ライバル→バトル

試験からもうこれ完全にHUNTER×HUNTER。思えば主人公もちょっとゴンっぽかったし、永遠のライバルはもちろん天才タイプだし。

だけど試験に入ってから盛り下がっちゃったんだよね。
いろいろなキャラクターが出たのに思ったより伸びしろが無かった。

わくわく度で言うと5話が全盛期だったかもしれない(試験開始直後

危機感はあったし、協力シーンもあって、王道的な展開だったんだけどね。ちょっと間延びしたかな。展開が遅かったり、魅力の無い敵に苦戦したりすると盛り下がっちゃうのが少年漫画の特徴だ。

 

エイル

割と好きだったキャラクター。

おっさんのような女の魔導学師。レメクと違って普通に優秀。

性格的なブレも無く終盤まで個性を発揮(出番は大幅に減って行くけど
印象的にはひつぎ(はやて×ブレード)とか、アネゴレオン(ブラッククローバー)に近いと思う。

 

怒涛の最終回

キング・クリムゾンなのか、時とばしなのか。年数経過で締めるのが妙に流行ってたよね、この頃。まあある意味打ち切り漫画としてはこれが王道なのかもしれないが。

ノアが1位になって、そのノアがレメクを持ち上げて……っていう狂気にも似た内容。
おそらくこの流れは最初から決まってたんだろう。
ラスト2話はクオリティ高かった(気がする
他にも、作者の中ではいろいろな物語が生成されていたのだろう。それを匂わせる終盤の展開だった。

しかし読切時のノアから1位になるってのはまだ分かるんだけど、連載時のノアが展開の流れで1位になるのはちょっと無理があるんよね。過程がなさ過ぎる。部活サッカーからワールドカップで活躍という流れで終わった『オレゴラッソ』とやってること変わらんからね。あえて違いを言うなら一番を一番になって譲るという発想かな。まあ実際にこんなことされたらちょっと恥ずかしいというか、いたたまれない気持ちになるような気もするが。

息子が一番になったのでその親が一番です――だもんね。

発想が怖すぎる。それで周りが納得するって思ってるところが特に怖い。

 

 

集英社/週刊少年ジャンプ2018年12号